~全社一丸25人で取得した 「ISO9001ものがたり」~

「厳しい経済情勢下で何か希望を持ち、社員の意識変革を図ろう」・・ 社長はこう考えていた。思いを打ち明けたとき、全社員が賛成した。
1998年6月1日に取得するという目標を掲げ、その決意を寄せ書きで表明しキックオフした。

今泉製造部長を品質管理責任者とし、計8人のプロジェクトチームを結成した。毎週金曜日に講師を招いて、朝9時から夜8時すぎまで、認証取得のための規定書やマニュアルづくりに奔走してきた。 「最初は何をどうしていいか、わからないことだらけだった」・・ 今泉の苦悩は続いた。ときには全社員を集めての勉強会を開いて社内での理解浸透を図っていった。

8人がプロジェクトに費やした時間は通常の業務には携われない。社員数が少ない当社にとっては大きな損失となる。「余計なことにとりかかってしまったのではないか.. 穴埋めは どうしていけばいいのだろう..」 社長は自分の決断を信じつつも、不安にかられる夜もあった。

だが、逆に売上は前年度を上まわる結果となった。プロジェクトチームの8人ががんばっている様子を全社員が見ていた。一生懸命やる!という姿勢が全社に浸透していた。

こうした頑張りが実を結び、1999年8月9日に、財団法人電気安全環境研究所からの認証書が届き、社内の業務全般にわたって念願の認証を取得した。
「1年間は長く苦しかったが、社員の士気が高まったのが一番大きい。社員一人ひとりが取り組みを通じて成長した。」と、社長は振り返る。
さらに、ISO認証取得によって、自動車メーカー以外の大手企業から新しい仕事を依頼されるなど、目に見える効果も表れてきた。

ISO認証取得に挑戦したときの社員数は、社長を含めてもわずか25人。
だが、その経験は社員一人ひとりの胸に誇りを持たせ、今日も品質維持・向上に取り組んでいる。

参考:桐生タイムス